@燕岳
 
燕岳〜
大天井岳〜
常念岳
1日目:中房温泉→合戦小屋→燕山荘→燕岳→燕山荘(休憩込みで4時間45分)
年月日2006年9月4日
地域北アルプス
燕岳(2763m)
天気晴れ
ひとこと北アルプスのすばらしい展望
コマクサがまだ咲いている!
 

 

  ▲しゃくなげ荘〜燕岳登山口▼
  


A穂高の町から見た常念(B中学生の団体)

C燕岳登山口(D登山道)

 

少し遅めに取った夏休みを利用して、かねてからの願望だった、燕岳〜大天井岳〜常念岳の縦走(2泊3日)を行うことに決定。中房温泉付近の駐車場は2日間しか駐車できないので、穂高温泉郷しゃくなげ荘近くの登山者用駐車場を利用。前日ここに車を駐車して仮眠。登山は混雑を避けて月曜日の朝出発。夏のピーク時なら、しゃくなげ荘から中房温泉まで早朝バス(5:15発)で行けるのだが、ピークを過ぎたこの時期、平日は早朝便がないので、タクシーを呼んで中房温泉まで行く。

たまたま我々が乗ったタクシーの前に中学生を乗せた貸切バスが4台も続いて走っている。狭いくねくね道を慎重に走るバスの後ろでしばらくいらいらしていたら、すぐ前のバスがすれ違いポイントで道を譲ってくれた。しばらくして次の一台。その後また一台、そして最後の一台と全部抜くのにかなり時間がかかり、その後少し走ったら中房温泉(写真C)に到着。バスの後ろを走ったためか、タクシー代は5,600円。少し高めになったかもしれない。

我々のあとから中房温泉に着いた4台の貸切バスから、中学生の団体(写真B)がどっと降りてきた。地元の学校ではよく燕岳の登山を実施するという話は聞いていたが、それが今日のこの時間だったとは...(後からわかったことだが通常は7月に実施するそうだが、今年は長野県を襲ったあの大雨により9月に延期したとのこと)。バス4台分の団体さんの後から出発したら自分のペースを保つことが難しくなりそうだったので、急いで出発の準備をした。

 

▲燕岳登山口〜燕山荘▼  
  

燕岳は北アルプス三大急登のひとつと聞いているので、それなりの覚悟をして出発(7:30)。とりあえず、この時点の目的は合戦小屋でスイカを食べること。

確かに最初からいきなり急登が始まったが、特に足場の悪いところがあるわけでもなく、いつものようにゆっくりと同じリズムで登っていくと、30分後に第一ベンチ到着(8:00)。そのまま同じようにゆっくり登って難なく第二ベンチに到着(8:30)。思っていたほどの急登ではないのでこれならいけそうだE。休憩は第三ベンチで取ることにする。

少し疲れが出始めたころ、第三ベンチに到着(9:00)。すでにそこで休憩をしていた老夫婦(といってもとてもお若くお見受けした)は、燕岳に登るのが35年ぶりだと言う。燕岳〜大天井岳〜常念岳〜蝶ヶ岳まで縦走するとのこと。私は、常念岳までたどり着ければとってもうれしいのに、やはりベテランさんはちがう。このご夫婦とは、これから山小屋や登山道でよく会うことになる。

15分ほど休憩したら第三ベンチを出発(9:15)。さすがに次の富士見ベンチに着くころ(9:50)にはかなり疲れが出てきたF。ここでも15分ほど休んだら、やってきた例の老夫婦にベンチの席を譲って出発(10:05)。次はいよいよ合戦小屋のスイカ!スイカ、スイカ、スイカ...。いきなり「合戦小屋まであと7分」の看板を見たときは意外に早かったのでびっくりしたと同時にうれしかった。「合戦小屋まであと3分」の看板(写真下)を見たら頭の中ではスイカに向かってダッシュしていた。

合戦小屋(=スイカ)に到着(10:35)(写真G)。 ここでは、ほとんどみんなが8等分されたスイカ(800円)(写真下マウスオーバー)を食べている。これがとてもおいしい。確か、ある燕岳登山日記サイトに、9月10日はスイカではなくナシが売られていたと書かれてあったので、9月に入ってもスイカが食べられるのか不安だった。でもまだまだ夏のように暑い今日のような日はやっぱりスイカに限る。とってもいいリフレッシュになった。

ここから尾根に出て(11:05)ひと登りすると、花崗岩が砕けてできた白砂に覆われた合戦ノ頭に出た(写真下)(11:25)。展望が開けた。進行方向には燕山荘、そして燕岳(写真I、J)が見える。左方向には槍ヶ岳が見えた(写真下)。タケカンバの木(写真K)が青空に映えてまぶしい!足元では、ミヤマリンドウ、ウメバチソウ、ヤマハハコ、トリカブトなどの花がお供してくれている(写真L)。体はかなり疲れてはいたものの、この周囲のすばらしい演出に心は踊り始めた。

            

 
E第二から第三へ(F第三から富士見ベンチへ)

G合戦小屋(H荷揚げ用ケーブル)

I燕山荘(J燕岳と北燕岳)

Kダケカンバ(Lお花畑)
   
   
第一ベンチ第二ベンチ第三ベンチ
富士見ベンチ合戦小屋まであと3分(スイカに向かってダッシュ)合戦の頭(燕山荘が見える)

 

 

▲燕山荘〜燕岳▼
  


M燕山荘

Nコマクサがまだ咲いている

O燕岳頂上 (P遠くに燕山荘)

Q燕岳からの展望

 

最後にお花畑の急斜面をひと登りすると燕山荘に到着(12:15)。それまで見えなかったすばらしい展望が開けた。何よりもまず、自分の目線の高さに堂々たる北アルプスの山々が槍ヶ岳から野口五郎岳、立山までズラリとクッキリとドッシリと並んだ姿は圧巻!(パノラマ写真下)。それを見ている場所は花崗岩の白砂の上で目にまぶしい。左手にはヨーロッパ風の燕山荘(写真M)、右手には花崗岩の白と低木の緑のコントラストが青空によく映える燕岳(写真@)。すべてが別世界!

しばらく眺めた後、燕山荘にチェックイン。でも今日はまだこれで終わりではない。一休みしたら今度は燕岳をめざす(13:30)。というのは、3年前、白馬荘に着いた日、白馬岳に行くのを次の日のお楽しみにしていたら、次の日は雨で頂上から何も見えなかった、という苦い思い出があるから。

白砂の上を点在する白い奇岩を見ながら歩く。まさかと思ったが、斜面にはなんとまだコマクサが咲いているではないか(写真N)。ここにもあそこにも...。もともとは7月〜8月の夏の花なのに、9月に入っても見られるのはうれしいことだが、やはりちょっと異常らしい。これも地球温暖化のせいなのか...。ますます不思議なことにこの季節に黄色いスミレを一輪発見してしまった(写真下マウスオーバー)。どうなっているのだろう...。

イルカの岩やメガネの岩を過ぎてしばらく歩くと頂上に到着(14:10)(写真O)。燕山荘が遠くに見える(写真P)。展望はいいが、午後も遅くなると雲が増えてきて、槍ヶ岳の先端が雲から見え隠れしている(写真Q)。狭い頂上に人が増えてきたので、下りることにする。

燕山荘に戻ったら(15:30)、楽しみにしていたケーキセットをサンルームでいただく(写真下)。その後、部屋に戻って夕食まで休む。夏のピークを過ぎていることと、さらに平日であることから、宿泊人数は少なく、部屋も個室状態でゆったりできる。が、かなり前から少し症状が出ていた頭痛がひどくなってきた。今回は『食べる酸素』や『酸素水』を取って高山病予防をしていたのに...。結局頭痛の薬を飲んで横になっていたら、夕食までになんとか治った。

今夜は社長がいらっしゃらないので、あの有名なホルン演奏はないらしい。が、先日行った演奏とトークのビデオを見せてくれた。生で聞けなかったのは残念だが、演奏の合間のトークも非常におもしろかった。「合戦小屋のスイカのカワを最初は近くに捨てていたのだが、熊がそれを食べにやって来て一階に寝ていたので捕らえておしおきをして放した」話などをユーモアたっぷりに語ってくれた。燕山荘はトイレは流せるし、布団も一工夫されている。スタッフの人たちもとても感じがいいし、お土産売り場はとても充実しているのでかなり気に入った。
明日の朝のご来光を楽しみにZZZZZ.....。

 

燕山荘からの展望

  (上のパノラマ写真は翌日の朝のくっきりした姿を撮影)
   
イルカの岩(奇岩)メガネの岩(奇岩)ホシガラス(スミレ!?)
ケーキセット(サンルーム)夕食(朝食)燕山荘の部屋
   

R富士山(S白馬岳方向)
 翌日のご来光は5時25分ごろ。お天気はこの日も快晴。前日午後遅く燕山荘に着いたあの中学生の団体さんもみんな別館のベランダに腰を下ろしてご来光を待っている。お日様の赤い光がまだ薄暗い空に360度ぐるりと輪を描いている。その延長線上には富士山も顔を出している(写真R)。北方向に目を向けると鹿島槍ヶ岳や白馬三山の山々もくっきり見えた(写真S)。この時間は、地図上に描かれている山々がすべて見えるといっても過言ではないぐらいだ。日が登り始めると、槍ヶ岳をはじめ、裏銀座の山々が赤く染まった(写真下パノラマ)。
     
 
   
ご来光を待つ中学生の団体さんご来光燕山荘・燕岳
 
朝日に赤く染まった裏銀座の山々
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