山頂からの眺め

 
春日山
春日山神社→謙信公銅像→三の丸→二の丸→大井戸→景勝屋敷→大井戸→本丸→毘沙門堂→直江屋敷→千貫門→春日山神社
年月日 2024年4月20日
地域 新潟県上越市
標高 180m
天気

晴れ

ひとこと

さまざまな緑色が織りなす春限定の絶景

 

 

歩いたコース  ▲春日山神社〜三の丸〜二の丸▼
  


春日山神社への階段(春日山神社)


ナガハシスミレ


三の丸(二の丸)

 

日本100名城のお城見学として訪れた春日山城址だったが、春の緑色があまりにも美しく、また、たくさんの春の野草が見られたため、お城見学とは別にこのハイキングのページを設けることにした。

まずは春日山神社の近くの駐車場に車を駐車して、階段を上ったところが、上杉謙信公をお祀りした春日山神社(11:15)(写真左上)。春にも赤いモミジの木はたまに見るが、これほど赤が鮮やかな春もみじはあまり見たことがない(写真下)。神社にお参りをして、謙信公銅像前の向こう側にぐるりと廻ると進行方向に美しい緑の世界が広がっていた(写真下パノラマ)(11:30)。

道端には、ハコベ、オオイヌノフグリ、タンポポ、ヒメオドリコソウなどが春の明るくてやわらかい緑の中にそれぞれ群落をつくり、楽しそうに日光浴しているように見える(写真下)。

さらに進むとスミレたちの登場。通常のタチツボスミレよりも葉っぱが大きく光沢があり丸みを帯びていて距が白いのでオオタチツボスミレだろうか。そばには、小さなニョイスミレが顔を出している。

三の丸入口から細い路を上っていく(11:40)。しばらくすると、距の長〜いスミレを発見。主に日本海側に分布するナガハシスミレだ(写真左真ん中)。2015年に坂戸山・六万騎山に行ったときに初めて出会ったすみれ。花はタチツボなどよりずっと小さく、距が非常に長い。花を近くでよく見ると、薄紫のくっつきあった花弁が後ろに反っていて、しかも花柄がとても美しい。

三の丸に到着(写真左下)(11:50)。上杉三郎(景虎)宅跡がある。広い曲輪。二の丸への途中に、かつて上杉謙信が越後上布の原料として栽培をすすめ、その財力を支えた多年生植物「カラムシ」(茎からとれる繊維が青苧(あおそ))の説明板がある(写真下)。さらに上って二の丸に到着(写真左下マウスオーバー)(12:00)。

さらに本丸までやってくると(12:10)、天守台の上り口に「地震被害確認中」の標識があり、立ち入り禁止になっていた(写真下)。今年1月1日に起こった能登半島地震の影響のようだ。

     
謙信公銅像の向こう側は明るくてまぶしい緑色の世界

真っ赤な春もみじ

ハコベ群落(オオイヌノフグリ群落)

タンポポの群落(ヒメオドリコソウ群落)
ムラサキサギゴケ 三の丸入口 オオタチツボスミレ
天主台は立ち入り禁止 青苧の説明(青苧の原料のカラムシ) サクラ

 

▲山頂〜大井戸〜毘沙門堂▼   
  

山頂の本丸からは遠くの山や海も見渡せるはずなのだが、今日は黄砂がひどくて遠くは霞んでいる。でも春日山の一部と街が見下ろせる。今は緑色の種類が一番多い季節。色の種類は何十種類いや何百種類あるかもしれない。様々な緑色のモザイクが織りなす春色が美しい(写真下パノラマ)。

フレッシュな黄緑色や萌黄色、赤みがかった緑、針葉樹の濃い緑、そしてそれぞれのグラデーション。その中でヤマザクラの薄いピンク色がぽつんぽつんと上品にその存在を主張している。この景色はいつまでも見ていられる。

山頂から後方へ下る道の向こうには、目が覚めるような明るい緑が待っていた(写真下)。大井戸の曲輪の隣の曲輪の土塁(写真右上)の斜面には、一体にエンレイソウの群落が(写真下)。これほど多くの群落はこれまで見たことがない。向かいの斜面にはキバナショウジョウバカマや花の終わったカタクリも見られる(お花畑参照)。

この辺にはタチツボスミレ以外にナガハシスミレも多い。護摩堂方面に行く途中には今度はフモトスミレの群落が。濃いピンクのアザミが一輪、緑色の中で目立っている。毘沙門堂(13:15)あたりからの北側の眺めも春色で美しい(写真右下)。

 


●曲輪間

●北側の眺め

     
●向こうに目が覚めるような明るい緑 花の終わったカタクリ 距がなが〜い
エンレイソウの群落 エンレイソウの花 一部の葉がピンク色に
フモトスミレ(アザミ) モミジの葉っぱと花 まぶしいぐらいに明るい緑

山頂から見下ろした眺め

 

 

直江屋敷〜千貫門〜春日神社▼

  


●階段状の曲輪が見える


ヒロハテンナンショウ

 

直江屋敷から虎口のところまで下ってきた(13:30)。イチョウの木がある二の丸の手前に階段状の曲輪が2つ見える(写真左上)。曲輪は200以上あるそうだが、今でもこのように名前のない曲輪があちこちにはっきりと見られるのは素晴らしいことだ。

千貫門あたりまで下りてくると(13:40)、足元にマムシグサが多く見つかる。まだ葉っぱも花も出ていないものから、出たばかりでくしゃくしゃのもの(写真下)などいろいろ。そして既に完全に展開しているものは、どれも花を覆うように上に葉っぱが一つだけ被さっていて、まるで傘を差しているかのよう。葉が一つなのでヒロハテンナンショウか(写真左下)。

ヤマネコノメソウも発見(写真下)。その後、eテレの『趣味どきっ!道草さんぽ・春』でヤマネコノメソウの説明をしていたのが興味深かった。茶碗に米粒が入ったようなこの茶色の粒粒は種で、水滴が落ちてくるとそれが跳ねるときに種の一粒一粒が一緒に運ばれるのだという(雨滴散布)。 これはマクロの世界で普段簡単には見られないが、周囲には自分が知らないだけで面白いものがまだまだいっぱいありそうだ。

最後の階段を下りる途中、土塁の斜面にキバナショウジョウバカマの群落を発見(写真下)。通常1時間ぐらいのコースだったが、道草だらけで3時間弱もかけてやっと春日神社に戻ってきた(13:55)。

春日山は、お城としてだけでなく、自然観察としても非常に魅力的な山だった。

     
展開する前のマムシグサ 葉っぱが出始める 葉っぱがまだクシャクシャ
センボンヤリ ヤマネコノメソウ キバナショウジョウバカマの群生
     
大池いこいの森第3キャンプ場 ●離れ小島でキャンプ 八重桜がきれい
大池 くびきのマンホール
道中から見た妙高などの山々の絶景