●山頂から富士山

 
三頭山
都民の森駐車場→鞘口峠→三頭山山頂→ムシカリ峠→三頭大滝→都民の森駐車場
年月日 2024年5月18日
地域 奥多摩
標高 1524.5m
天気

晴れ

ひとこと

やっと姿を現した富士山。でも鹿の食害が...

 

 

歩いたコース  ▲都民の森駐車場〜鞘口峠〜見晴らし小屋▼
  


まぶしい緑

鞘口峠

鞘口峠から急登(新緑)

見晴らし小屋からの眺望(見晴らし小屋)

 

中央道からも富士山が見えていたが(写真下)、これまで三頭山の山頂で富士山が見えたことがないので、この日も山頂にたどり着くころには見えなくなっているだろうと思っていた。

都民の森駐車場には思っていたより遅く着いたが、まだ少し駐車スペースがあった。準備をして登山開始(9:10)。いつもの「熊出没情報」の看板がないので安心はしたが、なぜないのかひっかかる。

入口近くでは、背の高いテンナンショウや、キンバイソウやカメバヒキオコシの葉っぱなど、いつもの野草が出迎えてくれた。マンネングサの一種のヒメレンゲも咲いている。

急な階段の方を上っていく途中から見える森林館方向の緑が、目にまぶしいぐらい新鮮で明るくて気持がいい(写真左上)。森林館に寄って花の情報を見ると様々なウツギが見られる季節のようだが、シカの食害もますます進んでいるようで心配だ。

登山再開。この日は5月でも最高温度が29度まで上がり季節外れの暑さになるという予報だったが、標高はすでに1000m以上で森の中のため、非常に涼しくて気持ちがいい。

足元にはハシリドコロが目立つ。花のように垂れているのは花が終わった後の果実(写真下)。この後も、とにかく足元にはハシリドコロが多かった。ハシリドコロは毒性を含むので、鹿にも食べられずに残っているということだろうか。すぐに鞘口峠に到着(9:45)。ここのテラスは現在使用できないようだ。

急登の方を選んで歩く。360度の新緑はとても気持がいいのだが、久々の上りで乳酸の方は出っぱなし。思い体を引きずりながら、しばらく上ると標識があるが、三頭山推奨路の見晴らし小屋経由の道を進む。

その後ジグザグ道を上るようになる。斜面のところどころにエイザンスミレらしき葉っぱが残っている。すでに花が終わったのか、それともこれもシカに食べられたのか。。。たまに見つかる花といえば、ヘビイチゴかキジムシロのような黄色い花。

標高約1300mを超えたあたりのジグザグ道で、日の当たる箇所にギンリョウソウが地上に頭だけを出している状態で見つかる(写真下)。こんなに日光浴してもいいのだろうか。テンナンショウも見つかった。

針葉樹林帯に入ると、緑の草木がなくなる中、数か所に小さな白いスミレを見つけた(写真下)。フモトスミレだろうか。これらは小さいので鹿に見つからずに残ったのか。シカが去ったあとに咲いたのだろうか。

さらに登山推奨路の標識に従い、見晴らし小屋に到着(10:35)。小屋の周囲のツツジは見頃過ぎのようだがまだ花が少し残っており、アセビは花が終わって実がなっている状態(写真下)。これまであまり意識したことがなかったが、ここからも展望が開けている(写真左下)。

     

中央道からの富士山

背の高いテンナンショウ

ギンバイソウの葉っぱ

カメバヒキオコシ

ハシリドコロ

キジムシロか?
ギンリョウソウ フモトスミレか アセビの実

 

▲見晴らし小屋〜東峰・中央蜂〜三頭山山頂(西峰)▼   ●はクリックして拡大
  

ここからジグザグ道をどんどん下っていき、合流したところ(10:45)からまた上りが始まる。以前虫こぶを見つけたあたりで、今回も探したのだがこれという虫こぶは見つからなかった。

まん丸葉っぱが柔らか色のムシカリの花だが、近くの地上に白い花びらが少し落ちていたので、これは蕾ではなくすでに花が終わった実の状態にちがいない(写真下)。標高1500m近くになるとダケカンバも登場。上を見上げると、いろんな木々の葉っぱが同じキャンバス上で仲良く共存している(写真右上)。

東峰展望台方向の標識に従って5分ほどで東峰、続けてすぐ向こうに中央蜂(写真下)。眺望がないので、そのまま下りて、西峰である三頭山山頂に上る。最後まで乳酸がでっぱなしだったがようやく山頂に到着(11:35)。

上っている途中で下りてくる人が「富士山が見えるよ」と教えてくれていたのでとても楽しみにしていたが、三頭山山頂から初めて見えた富士山は期待以上の美しさだった(写真一番上)。これまで春か夏に何度か来たことがあるが、富士山は一度も見えたことがなかったため、感動もひとしお。

山頂の少し奥からも富士山が見える。周囲を枝に囲まれた富士山をカメラのフレームに収める(写真右下)。反対側からの眺望もくっきり(写真下)。からっとしているからか展望がいい。

 


●ダケカンバと周囲の木々


●山頂奥からの富士山

     
ミツバツツジ ムシカリの実(まん丸葉っぱ) 木の根っこのアート
ガマズミの実 東峰(中央蜂) 東京の山頂標識(山梨の山頂標識)
ほやほやのミズナラ(ハウチワカエデ) ●いろんな木々の葉っぱ 反対側の眺望

 

 

三頭山山頂〜三頭大滝〜駐車場▼

  


●シオジの葉っぱが描くアート


シカによる植生への影響(ブナの路テラス)


橋(三頭大滝)

 

お昼休憩をして三頭大滝方面へ下山(12:10)。例の幹がくねっと曲がった木のところを通ってどんどん下っていく。かなり下ったムシカリ峠にあるムシカリはまだ蕾のように見える(写真下)。

次第に沢のそばを歩くようになる。足元に小さな白い花。よく見ると薄いピンク色の条線が美しいクワガタソウ。虫がおいしそうに蜜を吸っている(写真下)。

サワグルミの木かなと思って名札を見ると森の巨樹第三位の「シオジ」という木。この小葉が空に描くパターンと緑のグラデーションが美しい(写真左上)。

ほぼ緑一色であまり意識して見たことがなかったウワバミソウの雄花をよく見ると黄緑色の小さい花がかたまって咲いているようだ(写真下)。

「ブナの路テラス」までやってきた(13:35)。近くにシカによる植生への影響についての張り紙があった。「多摩地域の森林では、シカの食害による樹木の立ち枯れや下草の消失など、本来の植生が失われ始めています。この柵は柵内の植生を食害から防ぐことにより、シカによる植生への影響を調査するものです」とある。

もはや鹿が花を食べて花が見られなくなったというレベルを超えて、本来の植生が失われ始めているところまできているのは非常に深刻なことだ。森がなくなりかねない。そのようなことにならないように、いろいろ対策をしてくださっているのはありがたいことだ。

大滝休憩小屋までやってきた(13:55)。ここにも何種類かのウツギの花が咲いている。橋を渡って三頭大滝の水がいつも通り勢いよく落ちているのを確認して、森林セラピーロードに入る。木陰でウッドチップが敷き詰められた平らな路に癒されながらだらだらと歩く。セラピーロードにまで鹿柵が設けられていたのにはびっくり。

ようやく着いた森林館(14:35)で、沢沿いで見つけたキノコの名前を尋ねたらヒロメノトガリアミガサダケということだった(写真下)。その後、駐車場まで戻っていった。

     
  こちらのムシカリは今蕾状態? 苔の胞子体
クワガタソウ ハシリドコロの群落 ハシリドコロの葉の上で休むチョウ(沢)
ウワバミソウ ヒロメノトガリアミガサダケ オトシブミ
森林セラピーロードから生藤山方面