ブナ森(沢の巨木)
 
三頭山森林館→鞘口峠→三頭山→ムシカリ峠→滝見橋→森林館
年月日2005年6月12日
地域奥多摩
1531m
天気

曇り時々晴れ

ひとことブナの原生林、豊かな樹種
温泉小菅の湯
 

 

  ▲鞘口峠まで▼
  


ミズキ

 

先週末は雨の予報を信じて山行きをキャンセルしたら晴れた。その後梅雨に入り、山行きは当分だめかなと思っていたら、天気予報の傘マークが取れた。雨は降らない、晴れ間も出るとのこと。久しぶりに山歩きに行くことに決定。
およそ一ヶ月半ぶりの山歩きは都民の森にある三頭山をめざす。三頭山は二度目。前回は土砂降りにあったのを思い出す。

登山を開始するやいなやお花の群れに興奮気味。花や木には名札がついているのでわかりやすい。新宿御苑で覚えた木々があちこちにあって、それがわかるのがとってもうれしい。おかげで今まで以上に道草を食う時間が長くなってしまった。また、一つ一つデジカメのフレームに収めていたら、かなり時間を費やしてしまったようだ。鞘口峠には地図の時間を大幅に遅れて到着。

 

▲ブナ林▼  
  

さらに道草をしながら歩く。見晴小屋を過ぎたころからブナの木が目立ちはじめる。ブナの森は明るい。ブナの葉は陽射しを良く通すので、森全体が明るく柔らかな光に包まれるというのだ。ブナの木の近くによく生えるミズナラ、サワグルミ、トチノキなどの葉も光を良く通すのだそうだ。

それらの木々が空に手を延ばして自己主張している姿には圧倒される。空に向かってカメラを覗き込むと、やわらか色の光を通すさまざまな葉っぱが空のキャンパスに美しい模様を作り出している。

さらに、葉っぱたちがお互いにこすりあって、ささやきあって作り出す森の中の風はとってもさわやかだ。

ブナ林に癒されているときだった。目の前の空中に毛虫が!「きゃーっ!」びっくりして横に避けようとするとそこにも毛虫がぶら下がっている。後ずさりしたら、空気の流れで毛虫も追ってくる。「うわーっ」と叫んで逃げた。その一部始終を見ながらやってきた女性グループが「何かと思ったらただの虫じゃない」と言って、怖がることもなく去っていった。まだまだ修行が足りないな...。

 
ブナの葉(カエデの葉)

葉っぱのコラボ
   
▲さまざまな樹木▼
 
   
ブナトチノキミズナラ
カツラサワグルミウリハダカエデ

 

 

▲三頭山頂と三頭大滝▼
  


へんてこりんなブナのキ(三頭山頂)


ミズキと三頭滝(滝見橋)

 

ブナ林にどっぷりとつかっていたため、それ以外のことはよく覚えていないのが正直なところ。やっと着いた東峰は樹林に囲まれて展望がない。ひと下りしてから上り返すと中央峰と呼ばれる三頭山の山頂に到着。ここからは奥多摩や富士山が見えるはずだが、梅雨で曇りがちな天気ではやはり見えない(写真左上)。

ここでお昼を食べたら、ムシカリ峠経由で森林館への道に。
ゆるやかに下って三頭沢に出ると、その先は沢沿いに下る。
どんどん下りながら緑の深さに感動。また、ホウノキ、カツラ、サワグルミ、カエデ類などの巨木がそれぞれの表情で空に突き刺すように生えている。
足元には、尻尾がついたようなおもしろい形の葉っぱが我々の目を楽しませてくれる。後で森林間で尋ねたところ、亀のような形の葉をしていることから「カメバヒキオコシ」という名の植物だとわかる(お花畑参照)。秋に紫の花を咲かせ、乾燥した冬には根っこに霜柱の花をつけるという。秋にも冬にもまた来てみたいと思う。

やがて滝見橋が見えてくる。この吊り橋からは落差30mほどもある三頭大滝が眺められる。滝のすぐ隣にある涼しそうなミズキの花がいっそうの清涼感を与えてくれる。目を少し下に向ければ、多彩な表情の木々が谷底を覆いつくしている。

この後は、木屑が敷き詰められた平坦なお散歩コースを歩いて森林館に戻っていった。