湯の丸山山頂

 
湯の丸山
(池の平湿原)
湯の丸キャンプ場→中分岐→鐘分岐→湯の丸山(南峰)→湯の丸山(北峰)→湯の丸山(南峰)→鐘分岐→中分岐→ドウダンツツジの小道→湯の丸キャンプ場
年月日

2024年8月23日

地域 長野県東御市
標高 2101m(南峰)、2099m(北峰)
天気

曇りのち晴れ

ひとこと この時期でも花が咲き乱れ、まさに花の楽園
 

 

湯の丸キャンプ場から湯の丸山を望む ヤナギランの群生
   
歩いたコース  ▲湯の丸キャンプ場〜中分岐〜鐘分岐▼
  


林の中へ

鐘分岐

すでに紅葉している木々が

 

標高の高い涼しいところにテントを張って、そこから楽に上れる山を探していたら湯の丸山が見つかった。ところが今年の8月は天気が不安定でゲリラ豪雨が多い。何度か計画を立てては日にちを変更して、なるべく大雨でキャンプと登山が台無しにならないような日を選んで、やっと湯の丸高原にやってきた。

テントを張った湯の丸キャンプ場は周囲がシラカバやカラマツに覆われており、西側には丸い形の湯の丸山が望める。ここで標高が1800mもあるので、木陰は天然のクーラー状態。でも夏はやはりここでも虫が多い。

烏帽子岳から湯の丸山へ行って下りてくるコースも考えたが、久しぶりの山だし体調も万全ではないので無理をしないよう、湯の丸山だけの登山にして出発。天気予報では午後に雨が少し降る予定なので、午前中に余裕をもって下りてきたい。

キャンプ場を出発して(7:50)すぐの草原に、ハクサンフウロ、マツムシソウ、ツリガネニンジン、ヤマハハコ、アキノキリンソウなど夏から秋の花が咲き乱れている(お花畑参照)。さっそくeテレの『趣味どきっ!道草さんぽ・春』で使っていた百均のマクロレンズをスマホレンズに付けて、マクロショットを撮ってみたが、ピンとを合わすのがかなり難しく、ボケてしまう(写真下)。

その後シラカバやカラマツ、コメツガなどの林の中に入っていく(写真左上)。足元は一面笹。すぐに中分岐に到着(8:10)(写真下)。ここをまっすぐ行けば烏帽子岳の方に行くが、今回はここを右に曲がって湯の丸山方面へ。そのうち森から抜けて明るい空の下を歩き始めると、足元にはハクサンフウロやハナイカリなどの花が見つかる。

さらに少し歩くと鐘分岐に到着(8:25)(写真中央)。実際に鐘があるが、霧の時の遭難防止の鐘だそうだ。ここを湯の丸山方向に左(西)に曲がる。

ここからは本格的な登山道になる。すでに紅葉している木々もある(写真左下)。次第に道は急坂になるが、その手前あたりでふり返ると右側に富士山が見えることもあるとあとから知ったのだが、このときは雲が多かったため多分見えなかったと思う。

     
ぼけぼけマクロ シラカバの葉っぱのアート 中分岐

鐘分岐への道

林から抜けた 鐘分岐

 

▲鐘分岐〜湯の丸山山頂(南峰)▼   ●はクリックして拡大
  

急坂の道の両脇には、ハクサンフウロ、ハナイカリ、アキノキリンソウ、イワインチン、ウスユキソウ、オトギリソウ、ウメバチソウ、マツミソウなどなどお花がいっぱい。高原の夏は終わりごろなので花も少ないかもしれないと思っていたが、8月から咲いている夏の花に、これから9月に咲く花の種類が加わって、多くの種類の花が見られるようだ。花が多いので花に寄ってくる蝶やトンボなども多い(写真下)。

花から花へ飛ぶ蝶のように、急坂の道を右へ左へと移りながら花を観察して写真を撮っていくのでなかなか進まない。あとから来たハイカーに道を譲ろうとしたら、その人も花の写真を取りながら歩いているので大丈夫だと言われた。

ウメバチソウは、ハート形の葉が1枚、茎を包むようについているのが特徴で、それでウメバチソウと認識していたが、花をじっくり見ると、とても美しい。各花弁と重なり合うように仮雄しべ(花粉を出さない)が糸状に14〜17裂し扇状に広がっており、先端に黄色い玉のような腺体がついているが、これがこの花を可憐にしているようだ(写真下)。

進行方向を見ると、ハイカーたちが立ち止まって何やら写真を撮っている。ヤナギランの群生だ(8:55)。ヤナギラン自体はピークを少し過ぎているためか花びらはかなり散っているが、鮮やかなピンク色が草原の斜面に映える(写真右上)。さらに上って見下ろすと、一番向こうに竜ノ登山が見え、その手前に、ヤナギランの群生が斜面の草原をほのかに赤く染めている感じもいい(写真右上マウスオーバー)。カタログを見ると、ヤナギランは森林の伐採後や山火事の跡など群生するので、北米では「火の花」と呼ばれているとのこと。

オオヨモギの葉っぱだろうか。虫こぶがたくさんついているのを発見。ヨモギハエボシフシだろうか。烏帽子の頂部が空いているように見えるので、ヨモギエボシタマバエがすでに羽化した状態なのかもしれない。

少しゆるやかな坂になってきて、山頂の丸い輪郭が見えてきた(写真右上から二番目)(9:30)。一部青空も見えてきて、丸い草原にお花がいっぱいでまさに楽園状態。

そしてあっけなく山頂に到着(写真一番上)(9:35)。山頂は広く開けていて、平らな石が重なったガレ場になっている。石の合間からマツムシソウやイワインチンなどの花が咲いている(写真下)。

西側に今回はあきらめた烏帽子岳が見える(写真右下)。そのずっと向こうには北アルプスが見えるはずなのだが、雲に隠れているようだ。北東方向には、角間山・鍋蓋山と桟敷山間にうっすら嬬恋村が見える(写真下)。

 


ヤナギラン(少し上から見るヤナギランの群生)

●山頂までもう少し

●山頂少し手前からふり返る

山頂東側に烏帽子岳

     
上り ウメバチソウ→ ウメバチソウを可憐にしている仮雄しべ
キャンプ場?が見える(地蔵峠からの東屋) シシウド(お花たち) オオヨモギ?の虫こぶ(ズーム)
急登 山頂ガレ場にマツムシソウ(イワインチン) 嬬恋村が見える

 

 ●はクリックして拡大

南峰〜北峰〜南峰〜ドウダンツツジの小道〜キャンプ場▼

  


●北峰へ

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池の平三方歩道


池之平湿原の鏡池

 

山頂(南峰)でおにぎり休憩をした後、北峰へ(写真左上)(10:05)。北峰への道もまた花の楽園。高低差もあまりないので花に集中できるのがうれしい。

北峰の頂上付近のゴツゴツした大きな岩をよじ登り山頂に到着(10:20)(写真下)。ここから見える烏帽子岳の奥には上田市街地も少し見える。
この後、南峰に戻り(10:40)、鐘分岐まで下り(11:30)、中分岐(11:45)からはドウダンツツジの小道を通ってキャンプ場に戻った(12:00)。

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次の日は、テントを片付けた後、池の平湿原を少し歩いてみた(10:50)。標高はなんと2,000mもある。池の丸山山頂とあまり違わないので、この湿原の花たちも湯の丸山の花とほぼ同じ。

最初の道「池の平三方歩道」の周囲はマルバダケブキやキオンなどの黄色いお花がいっぱい(写真左中央)。マルバダケブキは蝶たちにも非常に人気があるようだ(写真下)。

細い木道に入ると、霧が立ち込めてきて真っ白になり次第に晴れていく。湿原には霧がよく似合う。池の周囲などすでに草紅葉が始まっている箇所もある。草紅葉といえばハクサンフウロの葉っぱがすでに真っ赤に紅葉しているものもあり、湿原の中でも目立つ(写真下)。

この湿原は、火山活動によって発生したすり鉢状の地形に形成されたものだが、その縁にあたる外輪山の一部が崩れてできた放開口と呼ばれる箇所が南端にあり(写真下)、ここからは佐久盆地一体が見下ろせる(写真下マウスオーバー)。

最短コースを歩いただけだが、アップダウンのほぼない広い湿原の木道歩きは本当に気持よかった(12:20)。

その後、再び湯の丸高原ビジターセンターの方に戻り、偶然入った「ロッヂ花紋」で特製ソフトクリームをいただいたがとても美味しかった。シャインマスカット、ブルーベリー、こけもも、牛乳、巨峰などのワンショットだけでなく、それらのミックスのツーショット、スリーショットもあり、種類が実に豊富!

天気予報どおり、お昼過ぎに突然大雨が降ってきて、その後も断続的に降り、ゲリラ豪雨のなか帰っていった。山歩きとキャンプには影響がなくてよかった。

     
ウメバチソウの群生 北峰の山頂は大きな岩がゴロゴロ ドウダンツツジの小道
北峰から見る湯の丸山と烏帽子岳と上田市街地
 
  池の平湿原  
放開口(佐久盆地が見える) ハクサンフウロの紅葉(霧の湿原) ソフトクリーム屋さん(シャインマスカット)
池の平湿原の鏡池方面
 
  出会った蝶たち  
キベリタテハ キアゲハ ベニヒカゲ
オオチャバネセセリに見つめられた(!?) ヤマウラギンヒョウモンか マルバダケブキは蝶に人気