伏姫の龍窟への山門

 
富山

駐車場→福満寺→富山南峰→北峰→伏姫籠窟→駐車場
年月日

2025年1月17日

地域 千葉県
標高 349.5m
天気

晴れ時々曇り

ひとこと 南総里見八犬伝ゆかりの山へ再び
 

 

●海ほたるから朝焼けの月と飛行機と富士山(クリックで月も) 海ほたるからの富士山ズーム
戦国武将・里見氏の居城跡の八犬伝博物館(梅)

●模擬天守最上階から富士山、伊豆半島、三浦半島が見える

   
歩いたコース  ▲駐車場〜福満寺〜五合目▼
 ●はクリックして拡大 


福満寺


登山道(荒れた道)


●フウトウカズラに覆われた木々

 

千葉県は2011年以来。「海ほたる」の駐車場でPキャンしたら朝焼けの中に富士山と飛行機と月が同じ方向に見えた(写真上)。羽田空港に近い「海ほたる」の空は、忙しい夜の時間帯には何台もの飛行機が空を舞って着陸を待っている場所。

最近『八犬伝』の映画を見たので、午前中に館山城(八犬伝博物館)に寄ってから、午後、八犬伝ゆかりの富山に行くことに。富山は2010年以来。

前回と同じ、富山中学校の近くの駐車場に車を停めて車道を歩き始める(12:50)。道沿いには、スイセンの花が咲き、イヌマキの実(終わりごろ)、マサキやキンマサキの赤い実がなっている(写真下)。

福満寺の標識のところで左に曲がり(13:00)、お寺の横の坂を登っていくと林の中に入る(13:10)。道は広くて舗装されているが、そのほとんどが枯葉や枯木などで覆われている。

林の中は真冬でも青々と葉っぱをつけた常緑樹が多い。木々に巻き付いたつるが小さいオレンジ色のつぶつぶでできた実をつけている(写真下)。どこかで見たことがあると思ったら、2018年にやはり千葉県の御殿山に上った時に初めて出会ったフウトウカズラの実だ。海岸近くに生えるそうなので、房総半島でよく見かけるわけだ。

少し歩くと右側の開けた場所にスイセンの群生地があった(写真下)。今回はちょうど見頃。

さらに進むと「一合目」の石柱が現れ、「二合目」(写真下)、「三合目」と進んでいくが、落ちた枝が道の中央にまで迫ってきていたり、根っこがむき出しになっている木も多い。

木に巻き付いているフウトウカズラもすごいが、木に巻き付くだけでなく空中で自由自在に動き回っているつるも多い(写真下)。

五合目にやってくると(13:45)道が少し広くなったところにベンチが置かれている。このあと、道は階段状の急斜面をジグザグに上ることになる。

     
イヌマキの実の終わりごろ キンマサキ(マサキとキンマサキ) 常緑樹大木

スイセンの群生地

フウトウカズラの実 2合目
イズセンリョウ 葉っぱが木肌に影を落としている つる

 

▲五合目〜南峰〜東屋〜北峰(山頂)〜展望台▼   ●はクリックして拡大
  

ジグザグの階段は、前回こんなに上ったかなと思うぐらいかなり続いた。今回は、根こそぎ取れた大きな木の根っこが道の一部を覆っていたり、大きな石がいくつも石段の上に転がっていたりする箇所があった(写真下)。そういえば、この辺は近年の台風などの影響をかなり受けている地域だ。

かなり上ってから見下ろしたところに山が大きく切り開かれて大きな施設のようなもの(写真下)ができているが何だろうか。

ようやく南峰の標識までやってきた(14:10)。標識方向に石段を上ると観音堂がある(写真右上)。ここに来る前に訪れた博物館(館山城)には、この観音堂は「伏姫の一周忌を迎えるためにこの山に建立した」という説明があった。八犬伝はフィクションなのに、史実のような感覚で見てしまうところが不思議。南峰の最高点はここではないようだが道がないので、元の道に戻り、北峰方向に進んでいく。

左手に伏姫龍穴への道の分岐点があるが、帰りはこの道を通ることになる。その後、愛の鐘がありその向こうに、ボタン杉の巨木(写真下)。

さらに進んでいくと東屋があり、「八犬士終焉の地」と書かれている(14:25)。広場になっており、ここから岩井の町並みや東京湾が見える(写真下)。この広場には舗装道が合流しているが、工事中のようでにぎやかだ。その後石段を上りつめると右手に富山(北峰)山頂(14:30)(写真右真ん中)。

近くにはつるまみれの大木が並んでいる(写真右真ん中マウスオーバー)。木の幹だけでなく枝もすべてがつるに覆われてしまっていて、蔵王の樹氷ではないが、モンスターのような塊になっている。よく見るとこのつるは、葉っぱがフウトウカズラではなく、近くでテイカカズラの綿毛も見つかったので、テイカカズラではないかと思う。眼下には鋸南町方面が、そして北東方向には、前回富山に上る前に上った伊予ヶ岳も見える(写真下)。さらにその延長線上に千葉で一番高い山、愛宕山(あたごやま)も見える。

今度は展望台のある広場へ(写真右下)(14:35)。心地よい陽だまりの中ゆっくり休憩。ここの展望台からはなんといっても海方向の眺望が素晴らしい。東京湾の向こうの富士山は見えなくなってしまっているが、大島方面までなんとか見える(写真下パノラマ)。

 


南峰の観音堂(南峰への石段)


富山(北峰)山頂(つるまみれ)


北峰展望台(展望台からの眺望)

     
階段状の急斜面が続く 階段上に大きな石(根っこ) フウトウカズラの虫こぶ
山を切り開いて広大な施設が フウトウカズラとアオキ ボタン杉の巨木(大木)
里見八犬伝終焉の地→ 岩井の町並みや東京湾が見える ●北峰山頂から北東方面に伊予ヶ岳
展望台から西側の海方向の眺望

 

 ●はクリックして拡大

北峰展望台〜伏姫龍窟〜駐車場▼

  


下り道の崩れに梯子(ロープ)


テイカカズラの綿毛(反対側から見たところ)


伏姫龍窟(龍窟への扉)

 

そろそろ下山(15:05)。東屋のある「里見八犬伝終焉の地」まで下りて、伏姫龍穴への分岐点まで戻ってきたら右へ。「このルートの下山は危険な箇所があります。福満寺ルートか吉沢ルートからのお帰りをおすすめします」という標識がある(写真下)が、前回も問題なく通っているし、禁止にはなっていないので続行(15:15)。

しばらくすると階段状の下り坂が土砂で半分埋まっている箇所が現れた。危険な箇所というのはこのことかなと思ったら、それ以降にも下りの道が崩れている箇所が次から次へと現れた。来た道(福満寺ルート)を戻っておけばよかったと思ったがもう遅い。応急処置のロープや梯子などを使用して滑ってころばないように慎重に下りた(写真左上)。恐らくこれも近年の台風などによるものだろう。

やっと広い舗装道路に出て(15:45)ほっとして歩いていると、目の前になんと実から綿毛がふわふわ出ているテイカカズラの実が現れた(写真左真ん中)。びっくり!七難八苦の後にはご褒美が待っているものだ。綿毛が実から飛び出そうとしている姿はシロサギが飛び立とうとしているようにも見えてとても美しい。

その後、葉っぱを落とした木々の枝が描く美しいアートや木々に巻き付くつるの自由なアート(写真下)を見ながら車道をゆるやかに下っていくと、伏姫龍窟の山門に着いた(写真一番上)(16:05)。門をくぐって長い階段を上っていくと龍窟への扉がある。前回はこの扉に鍵がかかっていてその向こうには行けなかったが、今回は扉がすでに開いている(写真左下マウスオーバー)。

大きな石の間の狭い石段を少し上ると龍窟が現れた。ここは伏姫が八房と暮らしたとされる洞穴。その中には南総里見八犬伝を象徴する玉が置かれてあった(写真左下)。

しばらく、フィクションの世界をさまよったあと、現実に戻って車道歩きを再開(16:25)。だらだらと歩いてお日様が沈む一歩手前に駐車場に戻ってきた(16:40)。

     
伏姫龍穴への分岐の標識 荒れた下り道 やっと車道に出た
●葉っぱを落とした木々のアート アオキ(飛行機) 伏姫と八房の絵が描かれている
山門をくぐって伏姫龍窟への階段を上る 夕日を浴びたスイセン 夕日
     
"渚の駅"たてやま 豪快な海鮮丼(海ほたるの千葉丼) さかなクンのマンホール(市のマンホール)